2017-08-14

日本で手に入る中国の食材② ホールスパイス

五香粉や十三香で中国の香辛料の風味に慣れてきたら、次はホールスパイスに挑戦しましょう。ホールのまま料理に用いることで、粉末に比べてえぐみが出にくく、マイルドでフレッシュな風味が得られるように感じます。煮汁もあまり濁りません。

肉や生のピーナッツを煮込む時や火鍋を囲む時、鍋にスパイスが浮いていると、見た目にも本格的でそれらしく、おすすめです。スパイスをお茶パックに入れて調理すると、食べやすく片付けも楽。

 

八角 Bājiǎo(スターアニス、大茴香)


単体で匂いをかぐと、なかなかパンチのある香りがします。最初はチャーシューや煮物など、醤油と砂糖を使う味の濃い肉料理に入れると、日本食に慣れた舌にも食べやすい味になります。肉の脂によって八角の独特の香りが浮くことなく、料理全体の風味が増しておいしくなります。ほんのひとかけら、中華スープに入れてもおいしいです。ただ、さっぱりした料理には入れすぎ注意。

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小茴香 Xiǎo huíxiāng(ウイキョウ、フェンネルシード)


一つ前にご紹介した八角とこのフェンネルシードは、中国料理で大変重宝されているため、八角は大香(Dà xiāng)、フェンネルは小香(Xiǎo xiāng)と呼ばれることもあります。乾燥させた実(シードですが本当は実)はスパイスとして肉料理などに、生のフェンネルは、葉は餃子などに、茎は同じセリ科のセロリと同じように料理に使えます。ぬか漬けにしたことがありますが、おいしいものができました。食感もセロリに近く、爽やかな香りがします。

生のフェンネル

西安で食べたフェンネルの葉と羊肉の水餃子

インドカレーのお店では、砂糖でカラフルにコーティングされたフェンネルシードがレジの前に置かれていたりします。消化の促進や消臭の効果があるとか。

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花椒 Huājiāo(カホクザンショウ、チャイニーズペッパー)


日本の山椒の色は緑ですが、中国の山椒の色は赤。実が木になると、赤く花が咲いているように見えるので花椒と呼ばれています。痺れる味の“麻”を司るスパイスで、麻婆豆腐が好きな人は家に必ず花椒の粉末を常備しています。ホールの花椒を油で炒って香りをうつし、お好みの野菜で炒め物を作ると、シビれるウマさがクセになります。味付けは塩と、顆粒ダシでシンプルに。具がたっぷりの辣油を家で作る時は、唐辛子と共に必ず入れましょう。

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陈皮 Chénpí(陳皮、橘皮、オレンジピール)


陳皮は、家でも作ることができます。無農薬、もしくは低農薬のみかんの皮をカラカラになるまで干すだけです。皮が比較的うすいウンシュウミカンで作られていることが多いですが、他の種類の柑橘でも作れると思います。オレンジなどは皮が厚いので、表面をピーラーなどでむいて乾燥させるようにして、苦味の出そうな白い部分をできるだけ減らすのが良さそうです。

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黒胡椒 Hēi hújiāo(ブラックペッパー)


これ以上に使い勝手の良いスパイスはありません。肉や魚料理はもちろんのこと、ハーブオイルやピクルス液に数粒加えると、ピリッと辛くなるわけではありませんが、味がしまります。

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桂皮 Guìpí(肉桂、ニッケイ、ニッキ、カシア、シナモン)


陳皮と共に漢方の一つとして知られている桂皮はシナモンと訳されることが多いですが、シナモンという名称は、カシア、セイロンシナモン、ニッキの3つの近縁種の総称として使われています。すべてクスノキ科のニッケイ属ですが、それぞれ別の正式な品種名があります。中国で料理に使われているものは主にカシアで品種名シナニッケイ。アップルパイやホットワインに使われるシナモンは品種名セイロンシナモン。日本の八つ橋に使われるニッキは品種名ニッケイです。それぞれ近い香りはしますが、カシアはどちらかというとニッキに近い香りがします。

シナモンスティックと呼ばれるタイプは紙のような厚みで巻いた状態になっていますが、これは樹皮の香りの強い部分をうすく剥いで巻く処理がされているためです。

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草果 Cǎo guǒ(砂仁、ブラウンカルダモン、ビッグカルダモン、ワイルドカルダモン)


初めて実物を見た時は、ナツメグと勘違いするような大きさでした。植物に詳しい友人によると、これはカルダモンの一種。見た目だけで判断が難しい場合は、割るとわかります。このビッグカルダモンは、割ると中から黒い種がこぼれてきます。ナツメグは、中が詰まっているのですりおろして使うことができます。ビッグカルダモンをホールで料理に使用する時は、割ると風味が出やすくなります。

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丁香 Dīngxiāng(丁字、丁子、クローブ)


八角に並ぶほどのパンチの効いた香りがしますが、こちらは料理だけでなく甘いものにも使え、用途の幅が広いスパイスです。シナモンや緑のカルダモンと一緒に数粒、チャイやホットワインに加えます。

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辣椒 Làjiāo(唐辛子、鷹の爪、レッドペッパー、カイエンペッパー)


中華料理に欠かせない赤色。世間では激辛の唐辛子が流行っていたりしますが、中国の料理は赤ければ激辛というわけではありません。旅行中でも、見た目は激しくても辛すぎて食べれないものはありませんでした。品種もさまざまで、中国国内だけでもかなりの種類があります。本場は有名な四川。

山ほどのそのままの姿の唐辛子と、さやいんげんを極限まで炒めた料理があります。極限まで炒めるので唐辛子は焦げる寸前ですが、口に入れると焼かれた部分がなんとも香ばしく、辛さもなくなっています。一緒にシナシナになった塩味のさやいんげんをほうばります。たまりません。

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孜然 Zī rán(クミンシード)


西安で歩いている時にクミンの香りがしてきたら、必ず近くに羊肉串のお店があります。ムスリム系の少数民族である回民の料理で重宝され、肉の香り付けや臭み消しとして活躍します。

西安のローカルフードを食べてきた④ 西安回民街

羊肉の料理でよく使われる一方で、五香粉や十三香には同じセリ科の植物の実であるフェンネルシードが使われています。クミンとフェンネルはいずれも肉料理との相性が良いスパイスです。

インドでも、カレーを作る最初の過程でクミンを油で炒め、香りをうつします。南米料理でもコリアンダーやセロリ、玉ねぎと一緒にクミンをじっくり炒めてコクを出す料理もあり、世界中で重宝されています。粉末にせずに料理に使っても、プチプチ(ポリポリ?)とした食感で特に口に残ることなく食べることができます。市販のカレールーで作るカレーも、最初にクミンをスプーン一杯油で炒めれば、風味が格段に変わってきます。

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香叶 Xiāng yè(月桂樹、ローリエ、ローレル、ベイリーフ)


画像は生のもの

ポトフなど、西洋風の料理によく使われるローリエ。中国料理にとっても欠かせないスパイスの一つです。

例えば、炒った米とスパイスを一緒に粉にしたものを牛肉にまぶして蒸す、粉蒸牛肉(Fěn zhēng niúròu)という料理があります。スパイスの種類は家庭によって様々で、花椒や黒胡椒、唐辛子、生姜、ローリエなどを使います。蒸しあがった肉は饼(中国のパン)に挟んで食べたりします。

友人が家で作ってみるとのことで、私の家に余っていたコーヒーミルをあげたのですが、材料にローリエが入っていて驚いたことを覚えています。料理の味は、かなりダイレクトにスパイスの香りがしますが、クセになる美味しさです。

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③乾物につづく

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